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2011-11-11 高齢者ケアとアロマテラピー

病院で入院している人の中には、身寄りのない高齢者も少なからずいらっしゃいます。

Tさんも、身寄りのない84才の女性。脳梗塞後遺症で左片麻痺があり、認知症もありました。

初めて伺うと、「私はマッサージを受けたことがなくて」と仰ったので、実際にどのようにマッサージをするのかお見せしてから、「手のマッサージをしましょうね」と声をかけて腕のマッサージを始めました。Tさんは、「あー、気持ちいい」と、何度も何度も仰いました。左手に拘縮がありましたので、優しくマッサージをしました。
マッサージが終わると、Tさんはとても喜ばれて、「次もよろしくお願いします」、と仰いました。

病院の病床数は多いため、毎週伺っても、毎回同じ患者さんのトリートメントを行う訳ではありませんが、病院側も、訪問客のいないTさんに最低月に1〜2回はアロマが入れるよう配慮してくださいました。

3か月後、
それまでは、毎回、初めて会うようなご挨拶から始まりましたが、
今回は、私の顔を見るなり、表情がパッと明るくなり、Tさんの方から、「まぁ、来てくれたの!」と声を掛けてくださいました。
すっかりアロマの時間を覚えてくださったようです。
私が、「今日は足のアロママッサージをしましょうか?」と声を掛けると、「手の方がいい」と手を差し出されたので、腕のアロママッサージを始めました。
マッサージを始めると、「気持ちがいい!」と何度も仰って、「お金も払わないで、、、」と私の方を見られたので、「お金は大丈夫だから、アロマに来たときは、マッサージしましょうね!」と、説明(?)すると、「うん、ホントに気持ちいいね」と、何度も何度も仰っていた。

それから半年後、
お部屋に行くと不在。ホールで車椅子に乗ってくつろがれていたが、マッサージのためにベッドに戻りました。。
最近は、うつ症状が出て、あまりお話されずに静かな時も増えてきました。
最初、「アロマのマッサージを始めましょうね、」と声を掛けても、何のことだか分からない表情。マッサージを始めると、「あー、気持ちいい」と言って、いつもの表情が戻りました。最初はお話されませんでしたが、すぐにアロマを思い出されたようで、いつものように話が弾みました。Tさんは相撲が好きで、食事は何でも美味しいとのこと。

それから、また半年後
最近はベッドで過ごされることが多くなりました。
この日もお部屋に行くと、ベッドでお休みになられていました。
「Tさん、アロマのマッサージに参りましたよ」と声を掛けると、私の方を見て、「はい」と返事をされました。「アロマのマッサージをしましょうね」と言うと、嬉しそうな表情。アロママッサージを始めると、「もう、気持ちいいね」と、何度も仰いました。
そして、「いつも悪いね」と言葉を掛けて下さって、私が気になるらしく、寝ながら首だけを上に持ち上げようとされるので、枕を背中と頭に入れて、こちらを良く見えるようにしたら喜ばれていました。

Tさんは、この後に体調を崩されて、これが最後のアロマトリートメントになりました。
約1年3か月、毎月2回ほどTさんにアロマのマッサージを行っていくうちに、Tさんも私のことを覚えてくださり、また忘れてもアロママッサージを始めるとすぐに思い出してくださいました。

優しいタッチとアロマの香りは、気持ちを落ち着けてリラックスする助けになります。身寄りのない孤独感をアロマの香りとタッチで和らげることは、QOLの質の向上につながると確信します。


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