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2011-09-27 自閉症へのアロマケアから生まれたアロマタッチ

アロマテラピートリートメントは、通常、マッサージや沐浴、湿布などの方法がありますが、なかには、通常のアプローチではない方法によるケアを用いる場合があります。例えば、重度の自閉症のクライアントに、通常の方法でマッサージを行うことは困難です。

4年ほど前、当時のIFA会長のステファニー・ロード女史は、約40年間、発達障害のある子供の教育に携わってきました。ステファニーは、感情表現が困難な子供達が、リラックスして、もっと楽しく過ごすにはどうしたら? と考えて、出会ったのがアロマテラピーでした。

ステファニーはIFA認定アロマセラピストの資格を取得した後、当時、校長をしていた学校で、精油を用いたタッチやアクティビティーを用いました。ステファニーの専門は自閉症児の教育で、専門書も出版しています。

自閉症児に精油を用いて様々なアプローチをしていくうちに、少しずつ緊張がほぐれ、楽しむ時間が増えてきて、それまで触れることもできなかった子供が、2年後にお互の背中に洋服の上から軽くマッサージができるまでになりました。
この時の様々な経験をもとにして作ったメソッド「アロマタッチ」です。

IFA アロマタッチは、通常のアロマテラピーマッサージとは大きく異なります。
厳密に言うと、対象が障害をもった方で、身体障害 知的障害、精神障害があり、他人のサポートを必要とする方が対象です。

障害の種類としては
身体障害: 身体障害者とは、目や耳、手足、内臓などに一定程度以上の永続する障害のある人

知的障害: 知的障害者については法律上の明確な定義づけはありませんが、一般には、先天的な原因または生後比較的早い時期に脳に障害を受けたことにより、
知的能力の全般的発達が不完全であったり、不十分な状態にある人

精神障害: 統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、精神病質その他の精神疾患を有する人

上記の他に、アロマタッチは心にトラウマを受けた人、例えば、DVや性的虐待などの方にもアロマタッチを用いることができます。ステファニーは養成コースの中で、このような場合は特に注意すべきであると、具体的な例を挙げて話していらっしゃいました。
様々な障害をもつ方に対して、通常のアロマテラピーを用いることができる方も多いのですが、中には特別なケアを要する方もいらっしゃいます。

では、アロマタッチとアロマテラピートリートメントとの違いについてご紹介しましょう。
アロマタッチでは、手や足以外に直接クライアントの皮膚へのマッサージは禁止されています。
手や足以外の部位、例えば背中や肩には、洋服の上から触れることは出来ますが、直接オイルをつけてマッサージすることはできません。

また、アロマタッチの対象者は障害者ですので、相手が驚いたり緊張したりしないように、触れる時もすぐにマッサージに入りません。クライアントが驚いたり不安になることがないように、あらかじめ何をするか提示したり、絵でお見せしたりして、これから何をするのか、クライアントに分かりやすく説明してからご説明してから行います。
セラピストがいきなり触れる、ということはありません。

また、マッサージはアロマタッチの一部分で、マッサージ以外に様々なアクティビティーを行います。アクティビティーの種類や方法は、障害の程度に応じて、クライアントが楽しめるように工夫されたものです。
そのため、ハンドマッサージのようにセラピスト1人に対してクライアント1人というアプローチもできますが、ゲームやアクティビティーのようにセラピスト1人に対して障害者の方が20人〜30人というアプローチも可能になります。

通常のアロマセラピストコースは、IFA認定アロマセラピストコースの規定が240時間ですが、IFA認定アロマタッチコースは35時間です。解剖生理学も、アロマセラピーコースが最低50時間に比べて、アロマタッチコースは5時間。
そのため、身体構造や機能について深く学ぶことが主になっているものではありません。

通常のアロマセラピストは、クライアントの心身の状態に合わせて精油を選びますが、アロマタッチはクライアントが楽しんだり、心地良い気分になることが優先です。

目的がアロマテラピーの施術ではないため、症状に応じたアロマテラピートリートメントとしてのマッサージは行うことは出来ませんが、例えば重度の自閉症のような、通常のアロマテラピートリートメントでカバーできないクライアントに対して精油を用いることができます。

今年から、日本でも、アロマタッチを実践する人を教育するコース、「アロマタッチ・プラクティショナーコース」が各地でスタートしました。
(プラクティショナーとは、英語で、実践者、専門家、という意味です。)

アロマタッチプラクティショナーは、身体障害、知的障害、精神障害について理解し、それぞれの障害に応じたアロマケアを実践することで、ストレスを軽減して楽しい時間を過ごしていただけるようアロマタッチを実践します。
現在、把握している限りでは、東京、神奈川、京都、青森、北海道でコースが開催または開催が予定されています。

障害者ケアにおいて、日本は決して恵まれた環境ではありません。
症例で訪問した重度障害者施設で、皆さんの純粋な目の輝きは、私に何か本当に大切なものを教えてくれているように感じました。

アロマタッチは、まだ始まってばかりです。
ステファニー・ロード女史が提唱したアロマタッチが障害をもつ方のケアに導入されて、障害者の方も、ケアをする方も共にリラックスした楽しい時間を共有していただくお手伝いができれば幸いに思います。

ステファニー・ロード女史         

ステファニー・ロード女史 2009 東京銀座にて


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