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2011-08-22 乳がんの患者Nさんへのアロマテラピーマッサージ

アロマテラピーマッサージは自律神経系に働きかけるマッサージです。
ストレスの多い社会の中、私たちは常にストレスや緊張にさらされています。
強いストレス下では免疫力が低下して、様々な悪影響が生じます。

その一つに、「がん」という病気があります。
「がん」と一口に言っても様々な種類があり、症状も状態も十人十色です。
アロマセラピストは病気に対して治療的なアプローチはできません。
患者さんの状態に応じて、補完的に支えることがアロマセラピストの仕事です。

乳がんに罹患したNさんと出会ったのは、彼女が乳がんの手術を受けて5年ほど
経過した頃でした。
当時は体調も良く、臨床心理士としてバリバリ働いていました。
時々、彼女のご自宅に出張して、アロマトリートメントを行っていました。

そんな時、彼女の「がん」は乳房から縦隔(胸部)や脳に転移が判明しました。
ガンマナイフというガン細胞に特殊なガンマ線を照射する治療を受けることになりました。治療と治療の間に、アロマのトリートメントは継続していました。
ガンマナイフの治療を受けた後に脳のCTをとるのですが、CT画像のコピーをとってくれて、トリートメント後に画像を見ながら、脳内のガン細胞が増えたか、減ったか、縮小したか、、、など、お茶を飲みながら話すのが常でした。

しばらく療養していましたが、経過は良く、仕事も復帰できるまでになりました。
もともと仕事熱心で、責任感の強い几帳面な方ですので、復帰した後はまたバリバリ仕事をするようになっていました。

この頃はトリートメントに行くたびに、「私の「がん」は治るような気がする」と言っていました。好きな趣味にも打ち込み、充実した時間を過ごしていましたが、
復帰して約1年後、体調が悪化して緊急入院になりました。
急いでお見舞いに行くと、体を動かすのもつらそうで、「今回は今までと違う」と言っていました。「体がだるくて、だるくて、動かすこともできない」と。

だんだん呼吸が苦しくなると、ユーカリやペパーミントをティッシュに数滴落として、 お部屋に香らせると、「呼吸が少し楽になる」、と言っていました。
一番喜ばれたのは、やさしいタッチのアロママッサージでした。
ある日、
「アロママッサージをしてもらっている時は、本当に気持ちが良い。ずっとアロママッサージをしてもらいたいけど、そうもいかないね。あなたが来た時に、もし私が眠っていても、アロママッサージはしてほしい」と囁くように言いました。

それが、彼女としっかり話ができた最後でした。

その後も何度かマッサージに行きましたが、眠っているか、あるいは、眠っているのか起きているのか分からないような状態でした。

アロマは「がん」を治すことはできませんが、状態が良い時も悪い時も、その時々の状態に応じて、クライアントが少しでも楽になるようにサポートすることができます。
がん患者さんがアロマテラピーのトリートメントを受けられて、質の高い時間を過ごしていただく、

そんな世の中になることが、私の夢の一つです。


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