産婦人科でのアロマテラピー施術レポート
岩上 真由美
都内でサロンを経営しながら、都内にある総合病院の産科病棟でアロマセラピ ストとして勤務し始めて、今年の3月で1年が経ちました。
産科内でのアロマセラピストの活動は、現在実施中や検討中のものも含めいくつかありますが、2011年5月現在は、産後入院中のお母さん達にアロマテラピー(またはリフレクソロジー)のトリートメントを提供する仕事がメインになっています。
私の勤務している産科病棟では、出産されてから退院されるまでの間に1回、アロマテラピー(またはリフレクソロジー)のトリートメントを受けられるサービスが付いていて、現在は週に2日そのサービスを提供しています。
トリートメントの時間はお一人30分で、足浴、パッチテスト、コンサルテーション、お着替えなどを含み、所要時間は45分に設定しています。
メニューはアロマセラピーとリフレクソロジーの2種類で、アロマテラピーを選択された場合は、
●背中 ●腕・デコルテ ●脚 ●フェイシャル の中から部位を選んでいただきます。
経膣分娩の方は産後5日目、帝王切開は8日目が退院日となっていますが、産後1~2日目にトリートメントを受けられる方は、産後の疲労感や筋肉痛の改善を希望される方が多く、産後3日目以降に受けられる方は赤ちゃんのお世話による疲れ(授乳時の体勢による筋肉疲労や睡眠不足等)を癒したいという希望が多いです。また、全体の7割ぐらいのほとんどの方にむくみの(特に足)の症状が出ているため、産後の日数にはあまり関係なく、むくみを改善したいという方も多いです。
トリートメントでは、クライアント一人一人の体調改善の希望も考慮しつつ、出産という大きな人生のイベントを終えたご褒美という意味も込めて、アロマの心地良い香りの中での心身の疲労改善とリラックス効果を一番の目的として施術を行っています。
アロマテラピートリートメントは、Vivat Holistic Trainingコースで習得したアロマテラピーマッサージやスウェディッシュマッサージを組み合わせた手技で、リフレクソロジーはベイリースクールの手技を行っていますが、まだ身体が妊娠前の状態には戻っていないので、一般の方に対して行うよりもソフトな圧で施術するように心掛けています。
トリートメントは、経膣分娩の方は出産の翌日から、帝王切開の方は4日目から、特に体調に問題がなければ希望者の方全員に行っていますが、強い貧血がある方や体調に問題がある方は、担当の助産師さんや看護師長さんと相談して、無理にはトリートメントを行わず、退院後改めて予約を取ってトリートメントが受けられる「1か月パスチケット」をお渡ししています。
私がこちらの産科病棟でアロマトリートメントの仕事を始めて1年が過ぎましたが、患者様は
本当にこのサービスを楽しみにされているようで、最初に行う足浴からとても喜んでくださいます。
そして、お産の疲れがまだ残っていたり、お産が初めての方は慣れない赤ちゃんのお世話の疲れも あるので、マッサージベッドに横になるとすぐにお休みになる方がほとんどです。
トリートメント後、解放されてリラックスしきったお母さん達の表情を見て、第一声「あ~気持ちよかった」という声を聞くと、セラピストである私の方も「よかったな~。」と、とてもやりがいを感じます。
トリートメント時間は短めですが、トリートメントを受けるのをとても楽しみにしてくださっているようです。
実際のトリートメントの効果に関しても、以前アンケートを実施して、トリートメントを受けた後の体調の変化や感想などを回答していただいたところ、
・体が軽くなった。
・気分的にとてもリラックス出来た。
・すっきりできた。
・熟睡できた。
・体調がよくなった(回復した)。
・筋肉痛がとれた。
・コリがとれた。
・むくみが楽になった。
・お通じが良くなった。 ・・・・など。
多くの方がトリートメントによって良い効果が得られた事がわかりました。
また、トリートメントの気持ち良さを感じていただけるだけでなく、産後の体調改善にも効果のあるアロマテラピーやリフレクソロジーの良さを改めて実感する事が出来ました。
今後は、出産後のお母さん達がこれから本格的に始まる育児を頑張れるようにこのサービスを提供していきながら、産科でのアロマセラピストの活動の可能性を模索していきたいと思います。
岩上 真由美
アロマテラピー・トリートメントルームease主宰 (東京都渋谷区初台)
E-mail:salon@ease-aroma.com
http://ease-aroma.com/