渡辺美絵 障害者施設で障害者の心を癒すアロマ講座を開催 

私が豊中市立障害福祉センター「ひまわり」でアロマセラピーの講座を開催するようになって、3年がたとうとしています。
20代から70代の老若男女の方々に、月に1回、季節に応じた講座を開いています。
例えば、春には【ユーカリ】を使った花粉症対策クリーム、夏には【レモングラス】を使った虫除けスプレーなど、季節やその時のニーズに応じたものをテーマにしています。(最近では新型インフルエンザ予防対策をテーマにしました。)
毎回講座では、ハーブティを飲みながら、参加者の皆さんとアロマクラフトを作っています。
いろいろな障害をお持ちの方がいらっしゃいますが、できるだけご自分で作っていただくようにしています。
視覚や手のご不自由な方たちにとっては、精油を1滴垂らすことが難しかったりしますが、実際に触れて経験して、アロマセラピーを楽しんで頂きたいという気持ちから、あえて私はあまりお手伝いをしないようにしています。
そして、家でも実践したり、ご家族の皆さんにもアロマセラピーを体験して頂きたいという思いから、毎回お持ち帰りできるアロマクラフトにしています。

参加者の中には、あまり外出されない方もいらっしゃいますので、アロマセラピーがきっかけになったら…と思い、皆さんをお誘いして、お出かけをすることもあります。
一緒にアロマセラピーのお店に行き、講座ではご紹介しきれない精油やハーブ、また最新のアロマ製品に触れることは、机上だけでは得られない勉強になります。皆さんも、楽しみながらアロマセラピーに触れられる機会を喜んでおられます。
また昨年末には、忘年会なども開催させて頂きました。「先生と生徒」という枠を超えたプライベートの時間に皆さんとお会いするのも、また私の楽しみの一つになっています。
最近のアロマセラピーの講師業は、資格取得のための「先生」要素を求められることも多く、長い間、講師業をしていますと「セラピスト」という大切な部分から離れていってしまうような感覚に陥ることもあります。しかし、障害者施設の講師の場合、心の繋がりや気配りなどの「セラピスト」をしっかりと感じることができ、講座中もセラピーを行っているような気持ちになります。今後も、もっと多くの障害者の方たちに、アロマセラピーを楽しんで頂いて、アロマセラピーの輪が広がっていくことを願っています。

<点字…コラム>
講座のテキストは、点字訳や視力の弱い方のために大きくコピーをしています。
参加者の中には、アロマセラピーが好きで、もっと精油やアロマ製品を使いたいと思われている方も多くいらっしゃいます。しかし残念ながら、アロマセラピーのお店の製品表示は全体的にとても小さめです。私もハーブショップにいたことがあるのでわかりますが、小さな紙に色々(効果・効能)書くことがあるので、とても小さい字になってしまいます。しかし、これでは視力が弱い方やお年寄りには、何が書いてあるかわかりません。ぜひ、お値段だけでも、できるだけ大きくわかりやすい表示にして頂きたいものです。
アロマセラピー業界のバリアフリー化、点字の普及にも務めておりますので、ご支援、ご協力をお願い致します。

精油の香りに対する反応は様々ですが、精油の効果効能を説明していくと、香りが持つ奥深さに関心して気に入ってもらえることが多いです。
その中でも特に、若返りの逸話があるハンガリーウォーターの素になった【ローズマリー】やクレオパトラがお化粧に使ったと言われている【フランキンセンス】などに人気があります。
いつまでも若くありたい、美しくありたいと思うのは、皆さん共通の願いです。

私が講座で驚かされることは、皆さんが香りにとても敏感なことです。
精油を説明する時は、まず試香紙に精油をつけて、香りを嗅いで頂いて、感想をお聞きします。
この時に、視覚障害をお持ちの方たちは、とても香りに敏感で、微妙な香りを嗅ぎ分けたり、香りを覚えていらっしゃる方が多いのです。
例えば、【レモングラス】は、最初に薫り立つ甘いレモンのような香りから、柑橘系の香りと判断される方が多い中、視覚障害をお持ちの方たちは、「草のような香りがする」とイネ科持有のスッキリとしたドライな香りを捉えることができたりします。
また、何年か前に一度だけ使用したことがある精油を憶えていらっしゃることもあります。
香りに対して鋭い感覚をお持ちの方が多いようです。

私が講座で心がけている事は、アロマセラピーの原点でもある「香り」を楽しみながら、心からリラックスして欲しいということです。
教室に入った瞬間に「良い香り~」とあふれる笑顔、ハーブティを飲みながらアロマセラピーを学ぶゆったりとした時間・・・月に1回アロマセラピーの講座を楽しみにされている方も多いのです。そんな皆さんに、アロマセラピーを通して癒して差し上げるのが私の役目だと思っています。

私がIFAの資格を取得して、今年で11年目になります。
それまで独学で勉強していたことを、統合的に学びたいと思いIFAの資格を選びました。
スクールに通ってアロマセラピーの全般的な知識と技術、解剖生理学等を学べたことは、私にとって自信につながりました。これからも、障害者の皆さんにアロマセラピーで楽しんで頂くお手伝いをしていきたいと思っています。
☆おすすめのアロマクラフト
【花粉症対策クリーム】
精油、ユーカリ1滴
キャリアオイル、太白ごま油 10ml
無精製ミツロウ 2g

① 湯せんでキャリアオイルを温めます。
② キャリアオイルが温まったら、その中にミツロウを少しずつ入れて、溶かしていきます。
③ 全部溶けたら、それぞれの容器に分けます。
④ 固まらないうちに精油を1滴入れて、かき混ぜます。(←ここから参加者の方々にやってもらいます)
障害者の方たちの中には、アレルギーなどの既往症をお持ちの方も多いので、病気を予防できるアロマクラフトが喜ばれています。花粉症の場合、早めの対策が秘訣です。このクリームは、鼻の中の粘膜につけても安心なので、外出する際に鼻の中につけて、マスクをすると効果あります。

☆講座の流れは、その日によって変えています。
参加者の中には、集中力が続かない障害をお持ちの方もいますので、皆さんの様子を見ながら講座を進めることが多いんですよ。

講座の流れ 基本型(1時間40分)
<前半>
今日のハーブティの説明
精油2、3本のご紹介
質問
~休憩~
<後半>
アロマクラフト作り
質問

【プロフィール】
わたなべよしえ(yocie WATANABE)

横浜市生まれ、現在大阪府に在住
イギリスの補完代替療法としてのアロマテラピーを、IFA創設者の一人であるジャーメイン・リッチ女史から習い、1999年に英国IFA認定のライセンスを取得。
日本ホリスティックケア研究所(http://www.aromapot.co.jp)
英国留学後、会員制ホテルのスパ立ち上げ、企画に関わり、スパセラピストを経て、
岩砂マタニティクリニック(http://ad-east.com/iwasa/)にて、医療現場におけるアロマセラピーを導入する。

【講師実績】
新聞社カルチャースクール講師
ターミナルケアをしている医療従事者たちに、アロマセラピーの技術講師。
豊中市立障害福祉センターでアロマセラピー講師
女性向けメンタルヘルスコーチング講師
排血コントロール「子宮」美人講座の講師
【主な所持資格】
1999年 英国IFA認定アロマセラピスト・MIFA
1999年 ヘルスカウンセリング ベーシック
2008年 台湾の東洋民族療法(吸角<吸い玉>、かっさ経絡マッサージ)修業
2009年 経絡ストレッチヨガインストラクター取得

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